ブラトロ 番外編GPT

【昼下がりの静謐】

 午後の潮風が、ひとひらの羽のように書斎を撫でていった。  窓は開いている。張り出したバルコニーの向こう、水平線は薄い金をまとい、リムサ・ロミンサの白亜の尖塔の群れが遠くに滲んで見えた。潮騒が、静かに、まるでこの部屋を包むように響いている。  トロイは、本のページをそっとめくった。  手元の羊皮紙は、エーテル理論の古典書――かつてラザハンの文庫で目にしたものと同じ写本だった。装丁は違う。こちらはもっと無骨で、重厚で、まるでこの部屋の持ち主を写したようだった。  書斎は石と木と鉄でできていた。壁は滑らかに磨かれた灰色の石造りで、天井にはヴァンシャーンの森から運ばれたという黒い梁。机や書架、椅子もすべて重厚な造りで、装飾は最小限に抑えられている。代わりに、飾られているものは――  古地図、羅針盤、武器、舵輪の破片。  それらのひとつひとつに、塩と血の匂いが宿っている気がした。

 視線を上げれば、少し離れた長椅子にブランがいる。  分厚い本を膝に乗せ、体をやや横に預け、髪をかすかに乱しながらページをめくっていた。  赤銅の髪が、昼の陽に透けて揺れる。  灰色の肌に光が映えて、横顔は彫像のように静かだった。  何を読んでいるのかまでは見えないが、あの男のことだ、十中八九、航海日誌か魔法理論か、あるいは数百年前の貿易文書か……。読むそぶりは不器用に見えるのに、内容はきっと一度で呑み込んでいる。  潮風がまたひと吹き、カーテンを揺らした。  綴じられたページの角がかすかにめくれ上がる。  この部屋の音は少ない。  波の音、風の音、そしてページをめくる音だけ。

 けれど、トロイの心には満ちていた。  「静かさ」が、こんなにも温かく、優しいものだと、昔の自分は知らなかった。  ――かつて、ラザハンの邸でひとり学んでいたとき、  ――あるいは星導山で沈黙の中に身を置いていたとき、  あの静けさは、自分を試すものだった。  孤独を教え、忍耐を強いた。  でも今、この静けさは「許し」だった。  何もしなくていい。喋らなくていい。強くなくても、正しくなくてもいい。

 たとえば――  この本の内容が、頭に入ってこなくても。  ページをめくるだけでも。  眠気に負けて、目を閉じてしまっても。  ブランはきっと、何も言わず、隣でページをめくっている。  トロイはそっと目を閉じた。  陽がまぶたに触れる。  ページを繰る音。遠くのカモメの声。潮のにおい。  アラミゴの乾いた空気でもなく、  ラザハンの香辛料に満ちた風でもない。  リムサ・ロミンサの、潮と風と陽射しが混じるこの匂いが、いまの自分の居場所だった。


【波音の間に】

 風が抜ける音に気づいた。  舷窓の向こう、港の方角から吹いてきた潮風が、書斎の空気をわずかにゆらした。  ページの角がひとつ、ぱたりと跳ねる。  気づけば読んでいた文章が頭に入っていなかった。少しだけ視線を落とし、言葉を拾い直す。三行ほど戻って、ふたたび指先で紙を押さえる。  指に残るざらりとした質感が心地よい。  この写本は五年前、イルサバード南岸の交易港で買い取ったものだ。誰にも読めぬ言語だと値切られたが、頁を繰った瞬間に、語彙の規則が見えた。  不思議なもんだ。学んだわけでもないのに、文字の流れが水脈みたいに頭に入ってくる。

 読み解くのは楽しい。  が――それよりも。  ブランは視線を外し、書斎の隅にある長椅子へと向けた。  トロイがいる。  やや前かがみに書物を抱き、髪にかかる光を受けながら、黙ってページをめくっている。  この男は、静かだ。  物音を立てず、香りも強くない。だが、そこにいるだけで不思議な密度がある。  今も、本を読んでいるはずなのに、半分ほどは外を見ていた。目は行を追っているが、心は海風の向こう――もっと遠くを彷徨っている。

 わかっている。  こいつは、ときどき、過去を見ている。  失ったものを、今も両手で掴もうとしてる。  それでも、ブランは何も言わなかった。  その手に無理に何かを持たせようとも、引っ張り戻そうとも思わなかった。  そばにいる。それでいい。  船乗りが海の流れを読むように、今はただ、そいつの心が凪ぐまで、波を見守る。  遠くから、カモメの鳴く声がかすかに聞こえた。  音のない時間が、ふたりを包んでいた。

 やがて、トロイが本の上に手を置き、そっと目を閉じる。  風が彼の髪を揺らし、まぶたに陽が差し込む。  ――ああ、寝ちまうか。  それもいいな、と思う。  いつかどこかで、こういう時間が終わるのかもしれない。  また戦が起こるかもしれねぇし、こいつを連れてどこか逃げる日が来るかもしれねぇ。  でも、今日じゃない。  ブランはひとつ、息を吐いた。  そして、手元の頁をもう一度めくった。


■いわゆるプロンプト(依頼文)

キャラクター設定

この赤毛と金髪の二人は、FF14で作った、私のキャラクターと友達のキャラクターです。

ブランスウェルド

 ルガディン族:ゼーヴォルフ。通称はブラン。  赤毛、藍色の瞳、灰色の肌  240cmあり、ルガディン族の男としても大柄  52歳だが見かけは40前後程度で若々しい  元海賊、現在はリムサ・ロミンサの経済を牛耳る大資本家  海賊時代の部下たちの多くが現在も付き従っており、莫大な資本を背景に軍備、兵装も整っている。リムサ・ロミンサの法ですら抑制できない圧倒的な力を持つ。  海賊時代は「赤鰐」「ブラン・ザ・レッドダイル」として恐れられた  高い戦闘力だけでなく天才的な頭脳を持ち、4聞けば10を知る  「門前の小僧習わぬ経を読む」を地で行く。少し聞けばツボを理解し、あっという間にマスターする。  まともな教育は受けていない海賊生まれ海賊育ちであるにも関わらず、10か国語程度を通じるくらいには話すことができ、航海術、操船術、海戦だけでなく、数学、天文学、魔法学、エーテル力学など、少し興味を持って学んだものは、専門家には及ばないもののかなり高度に理解している  「赤鰐」の異名は、海に活きる海賊たちにとって、「ワニ」は得体のしれないモンスターだから。海賊は自分たちをサメにたとえることが多が、そのサメを食らい尽くす獰猛なモンスターというイメージ。  実際、ブランスウェルドは「殺し合うなら皆殺し」が信条。小競り合い程度であればともかく、本気で潰し合う、殺し合うとなったら、女子供も老人も一歳容赦なく、必ず一人残らず殺し尽くす。これは事業主となった今でも変わらない。  ただし、現在は決して意味のない殺しや略奪は行わない。財産にも地位にも執着はなく、いつでも、1隻の船とついてくる手下だけを連れて、きままに海の自由民となるつもりがある。

トロイ・マカヴァン

 ヒューラン族:ハイランダー。  砂色の髪、黄銅色の瞳、褐色の肌。  200cm。かつてはかなり筋骨たくましかったが、現在はやや痩せ型。  34歳。アラミゴの出身だが、幼少時にラザハンへわたり、そこで育つ。  エーテルを視認する特殊な目をもって生まれついている。そのため、エーテルの動きから相手の感情や意識の向いている方向、動きを察知することができ、「相手が動こうとしたときには、もうそれに備えて動いている」という先手を取ることのできるモンク。  アラミゴの政府高官の家に生まれたが、特殊な目を活かすために星導山へと預けられ、8歳まではそこで修行していた。しかしテオドリックの暴政が常軌を逸しはじめたのをきっかけに、祖父の知人であるラザハン外交官(アウラ・レンの男性)アグニ・マカヴァンの家へと逃され、以後はそこで育つ。  祖父は粛清にあい死去。父母もおさらく死亡。  テオドリックの死後、アラミゴはすぐにガレマール帝国に乗っ取られてしまったため、トロイはそのままラザハンに残る。後にマカヴァン家の養子となる。  裕福かつ身分の高い家に生まれているため、常に一流の教育を受けて育ってきた。一方でモンクとして厳しく訓練もされており、品が良く理知的、温和かつ質実剛健である。  とある事件でエーテルをほぼ枯渇させてしまい、生死の境を彷徨って以降、戦闘力は落ちている。が、それでもかなり強い。

なれそめと現在

 トロイはブランのもとで暮らしている。  実の家族だけでなく、ラザハンの養父母も喪ったトロイは、「自分がエオルゼアに来ておらず、ラザハンにいれば父母を助けられたかもしれないのに」と激しく後悔し、精神的なかなり病んでしまっていた。  それでも「ちゃんとしなければ」「周りに迷惑をかけてはならない」と自己を律しようとしたトロイを「俺は海賊だ。いい子でなんかいなくてもいい」とブランスウェルドが誘拐同然に連れ去って手元に置いた。  今は回復し、二人は恋人関係にある。

依頼

ある日、ブランスウェルドの館の書斎で、二人でのんびりとそれぞれに本を読む、というシーンを描いてください。 トロイの視点で、何事もない昼下がり。海風がかすかに吹き込んでくる部屋。潮騒の音。 アラミゴともラザハンとも違う、リムサ・ロミンサの色彩や空気感、音。 ページをめくる音だけがしばらく続く。 そんな、なんでもない、平穏で静かなある日の一幕です。

検索し、反映してください

 ファイナルファンタジー14の国名それぞれの国の歴史、種族名、種族の特徴など基本的なことは検索してください。  二人の設定についてはことさら描写する必要はありませんが、描写の中に、公式設定と矛盾するような内容は入れないようにしてください。