16 ママ友お茶会

     【彼は無自覚Savior】

「それじゃあお邪魔するわね」  とメリア・カスクールは嬉しそうに微笑んだ。  幼稚園に子供を迎えに行く前に、トライオス家に寄ってもらった。  カスクール家から園に向かうのであれば、ほぼ通り道である。少しだけ寄り道すればいい。それなら、ランチ後のお茶でも楽しもうと決めたのだ。

 メリアを呼んでも大丈夫かと尋ねたとき、ヴァレスは 「いいね。とうとうカスクール中佐のプライベートがヴェールを脱ぐというわけだ。それなら今のうちに、お菓子とお茶でも少し買い足しておこうか」  と答えた。“父の家"に誰かを呼ぶなら、父の許可が必要で、誰をなんのために呼ぶのか詳しく伝えなければならなかったーーーだから誰を招いたこともないーーー実家とは大違いである。  そんなことがさっそく話題になる。 「呼ぶと言ったら、もてなしの準備を考えるあたりが違うわねえ。オーリも気が利くほうだけど、もちろんいいよ、くらいだわ、きっと」

 エドナにとってメリア・カスクールは、同窓の友人にも言いづらい話のできる”ママ友”だった。20歳も年上になるということもあるし、なによりおっとりと穏やかで、トゲのない優しさが心地好い。  その点カリエーンやラナは、つい言動にトゲが出る。父の厳しさについて零すと、「言っちゃ悪いけど、それはないわ」と、自分の味方をしてくれるのは嬉しいが、父を責められるのもなにか違う気がしてしまう。  それは幼稚園の他の母親たちも同じだった。ティアで区別したくはないと思う。だがどうしても服務市民階級の人たちは、エドナにとってはあけすけすぎる。自分の夫や舅、姑の愚痴を声高に言い合い、それで十分も二十分も話しているのを見ると、なんだか嫌だなと思ってしまう。  一方で高ティア、あるいは家門の高い人たちは、そんな彼らを育ちが悪いという目で見る。言葉の端々に、私たちとは違うという意識が漂う。  そしてエドナ自身、自分のことを棚に上げてそんなふうに他人を批判する心持ちになってしまうのが、我ながら嫌だった。

 だがメリアは違った。何か言うのではなく、さりげなく距離をとる。良いとは思わなくても、批判はしない。  話に巻き込まれても、 「あらそうなの? 大変ねえ」  と同情はするが、同意はしない。自分の場合はどうかを語っても、人についてあれこれ言わない。  私もこんなふうにさりげなく振る舞えるようになりたいと思ったし、彼女といれば嫌な話よりも楽しい話ができるのが素敵だった。

 だから、そう、今日も楽しい話がある。  先週の発表会のときに約束した、カスクール夫妻のなれそめについてだ。ヴァレスももちろんだが、自分も聞きたいと楽しみにしていた。 「オーリとは幼馴染みなのよ。家が隣、通った幼稚園も同じでね。3つ離れてるからクラスは違ったんだけど、私が6つでオーリが3つのときには、毎日一緒に通ってたの」  メリアの家には送り迎えしづらい事情があったため、カスクール家の車に乗せてもらって行き来していた。そんなときメリアは"おねえさん"ぶって小さなオーランの世話を焼いた。 「おとなしい子でねえ。いっつも私の後をついてきてたわ」  一人っ子だったメリアには、本当に弟のようだった。

 だが、メリアが13歳、オーランが10歳のときに、カスクール家は引っ越してしまった。 「詳しくは聞いてないの。オーリもまだ小さいから、家の事情なんて聞かされていなかったみたいだし」  そしてそれきり20年が過ぎた。  メリアは28歳のときに一度、結婚を考える相手を見つけた。だが上手く行かなかった。 「けっこう痛手だったわ。それからずっと、他人のことを考えるのは嫌って思ってたくらいに」  そのまま36歳になったとき、当時働いていた工場の上司から、見合いを勧められた。  親切のつもりがお節介。そんな人だが、立場もあって逆らいがたい。それで、会うだけでも会えば義理は立つと思って、仕方なく引き受けた。 「それで私、本当に全然その気もなかったから、相手の名前すら見ないで向かったのね」  会って話して、丁寧にお断りして終わり。そのつもりだった。  ところが、セッティングされたレストランにいた男は、どこかで見たような相手だった。

「それがオーランさんだったんですね」 「そう。で、私、父が亡くなって母方の姓になってたの。それにメリアって名前も珍しいわけでもなくて、オーリもまさか私だとは思ってなかったのよ」  お互いに、どこかで見たことがあるような、と思ったことになる。しかしなにせ20年も昔のことだ。すぐには思い出せない。だがそこで、オーラン・カスクールと名乗られてメリアはここにいる彼があの小さなオーリだと知った。  幼い頃を知るからこその戸惑いのようなものはあった。だが会うだけ会って断るというつもりは、メリアにはなくなっていた。結婚するかどうかは別として、あのオーリがどうしていたかを知りたい。また昔の姉弟のようにでいいから話を聞きたい。 「それで友達みたいに会っているうちにね。オーリさえ私でいいなら、私はいいなって思ったのよ」  面白みはないかもしれない。だが結婚するというのは、恋愛を続けることではない。これから先を共に生きていくということだ。メリアは、オーランとならこれから先何年も、何十年も、一緒にいられるだろうと感じた。  そうして二人は結婚した。

「小さい頃の幼馴染みと、20年してから思いがけない再会って、素敵ですね」 「びっくりよねえ。ちゃんと名前だけでも見ていれば、そのつもりで行ったんでしょうけど。後でオーリから、自分だと分かっていて来たんじゃなかったのかって言われたわよ」  可笑しそうにメリアは笑う。 「あの、話したくないことならいいんですけど、そこまでなんていうか……」 「男性不信? 付き合った男が悪かったの。見栄っ張りで自意識過剰。そのくせ私の目の前では理想的な彼氏を演じる。それをまんまと信じた私も馬鹿だったんだけどね。それで二股かけられて、君はつまらないってフラれたの」 「そんな……! ひどい」 「もう、ほんっと。それ以来ずっと、裏でなに言ってるか分からない、本当はどう思ってるかなんて知れたものじゃないって思ってたわ」  だがオーラン・カスクールは、相変わらず控えめで物静かだったが、誠実だった。

「エドナちゃんはどうだったの? 政略結婚だっていうのはちょっと聞いたけど」  メリアから問われて、エドナも正直に話す。  家が決めた結婚。しかもその時点で父は、「かつてはどうだったかは知らないが、今では落ちぶれた、そのくせ名にこだわる軍人」と見下していた。そんな相手に、娘を嫁がせようとしていた。家同士の結びつきを得たからといって、利益があるわけではない。だがぱっとしない、至らない娘を、迂闊に高名な家に嫁がせて不名誉なことをされるのも困る。そんな理由だ。しかもそれを、父はエドナに面と向かって言った。 「まあ……!」 「そういう父なんです。私ずっと、私が駄目だからなんだって、仕方ないんだって思ってきました。あの、全然面白くも楽しくもない話ですけど」 「いいのよ。あなたが話したくないなら、話さなくてもいい。でももし誰かに聞いてほしいと思うなら、私で良かったら聞くわ?」  そっと染み入る優しい声音に、心が少し溶けるような心地がした。

 そうして決まったエドナの結婚相手だったが、 「最初は、怖かったんです」  結婚してからしばらくのヴァレスは、父よりも恐ろしく感じられた。  父には、こんな娘でも娘ではあるから仕方がない、といった、家族という意識はあった。だがヴァレスにとってエドナは、子供を生む代わりに養う契約をした道具、といったところだった。 「とても信じられないわ。だってあんなに優しくて、気さくで素敵な人なのに」 「ヴァレスも、トライオス家に相応しくなければならないって、縛られていたんです。でも、リデアンが生まれたときに、家なんかどうでもいいって。それからすっかり変わったんです」

 最初は信じられなかった。だがやがて信じるしかなくなった。明るく優しく変わったヴァレスは一時のことではなく、それからずっとそうだった。  必要なことがあれば言いつけるだけだったのが、ちょっとしたことで通信を寄越す。最初は着信があるたびにびくびくしていたが、ヴァレスが言うのは、買って帰るものはないかとか、今日は少し遅くなるとか、そういうことばかり。 「そういえば……、リデアンが1歳半くらいのときだったと思うんですが」  夕飯の準備をし終えたエドナがリビングに戻ると、リデアンがソファに掴まって立とうとしていた。

「!! 初めての"たっち"ね!?」 「ええ。私、びっくりして。それで、手助けしようか、でも自分で立つのを見守らないととか、それに、写真か動画撮らなきゃとか、カメラ取りに行ってる暇なんてないとか、いろんなことがいっぺんに頭の中に押し寄せてきて、しかもそこに、ヴァレスが帰ってきたんです」  あのときのことは今でも思い出せる。  ドアの開閉を知らせるチャイム。「ただいま」という声。いつもなら、リデアンを抱えて出迎えに行く。だがそのときエドナは、とにかくあの人を呼ばなきゃと思った。 「そのときまでずっと、ヴァレスさんって呼ぶのも変だし、どうしようって思って、あなたってしか言えてなかったんですけど」  そのときはどうしようもない激情のようなもので、名前が口を突いた。

『ヴァレス! ヴァレス、早く来て! リディが!!』  そう叫ぶと、何事かと駆け込んできたヴァレスも一目見て事態を把握した。  よちよちと、よろよろと、一所懸命に立とうとしているリデアンを二人で見守って、そしてとうとう立ち上がったときには、思わず抱き合って喜んでいた。 「まあ……! 良かったわねえ。決定的瞬間よ。二人とも見れたのね。良かったじゃない!」 「ええ。本当に。それで後は、写真撮りそこねたとか、ホームVIに自動録画機能ってなかったっけとか、いつもの大騒ぎで」 「あらまあ。でもその目で見れて良かったじゃない。エアラなんて、私がちょっとお手洗い行ってる間に立ってたんだから」 「えっ」 「帰ってきたら歩いてるんだもの。もちろんオーリも仕事中。二人して見逃したわ」 「それは残念でしたね」 「ほんとにねえ」  そこまで笑って答えて、少しだけ、メリアの顔が曇った。

 気がついたエドナだが、「どうかしましたか」と尋ねていいものか迷う。  そしてメリアは、そんなエドナに気付いた。  メリアはエドナをじっと見つめる。そして、少しだけ目を細めて笑う。 「メリアさん? どうか……」 「うん。あのね、伝えようかどうしようか、迷っていたことがあるの。オーリとも話して……伝えたいわねって、でも、そんなことを言われたい男じゃないだろうって」 「?? ヴァレスに、ですか?」 「ええ。でも、そうね。ヴァレスさん本人にはたぶん、わざわざ言うことじゃないんだと思う。でもエドナちゃんには知っておいてほしいかも」 「はい……?」  なんなのだろうか。少し改まった空気に圧されながら、エドナは頷いた。

「私たちね、本当に感謝してるの。ヴァレスさんに」  やがてメリアはそう言った。  ヴァレスがどこかで他人を助けていたとしても、それには驚かない。部下として上司の役に立つことももちろんあるだろう。だが、「私たち」と言うならメリアもということになる。改めてそう言われるというのも不思議だ。  メリアは、 「そうね。この話をするなら、私の家の事情も少しお話ししようかしら」  と前置きし、 「私はね、父の顔を覚えていないの」  と言った。

 メリアが12歳のときに早逝してしまったというのもある。だがそこまでの12年間、メリアはほとんど父を見なかった。専従軍人であり、 「優秀な人だったみたいで、階級は、聞いたことはあるのかもしれないけど、覚えてないわ。でもとにかくずっと、仕事でほとんど家にはいなかったのよ。少なくとも、私が起きているような時間には」  幼いメリアが起きるより早く出掛け、眠った後に帰って来る。帰って来るならまだいいほうで、官舎に泊まることも多い。  隣のカスクール家は父親の姿も母親の姿も見かける。それでメリアが「お父さんは?」と尋ねても、母は「お仕事よ。大事なお仕事なんだから、我が儘は言わないで」、そんなふうに言うばかりだった。

 もう少し大きくなって、起きる時間が早くなり、眠る時間も遅くなったときには、間の悪いことに父親は星系外勤務になっていた。  そしてその頃にはメリアにも分かるようになっていた。両親の間はうまくいっていない、と。母はアルコールに依存していたし、遠い場所にいる父からの通信はなかった。  そうして、死んでしまった。 「詳しくは分からないけど、過労だったみたいね」  葬儀が終わると間もなく母は父の姓を捨て、メリアは母の姓を名乗るようになった。

「でもねえ、お父さんの顔よく覚えてないって、誰かに言うでしょ? そうすると、私もって言われることがよくあるの。ある日いきなり家に知らないおじさんがいて、誰これって思ったら、父親だって言われた、なんて笑ってる子もいたわね。だから私も、そんなものなのかって思うようになったんだけど」  エアラが生まれてしばらくたったとき、ぞっとした。  オーランは中佐という立場にある。責任の重い仕事で帰って来れないことも多い。それでも彼は父と違い、今日はやはり帰れそうにない、といったメールの一つくらいはくれる。だが、エアラとどれくらい顔を合わせているだろうか。  帰って来ると、眠る娘の顔を見てはくれる。だがエアラは眠っている。もう少し早く帰ることはできないのと尋ねると、仕事をおろそかにしろと言うのかと怒ることこそないものの、無理だよと答えられる。 「言いたくなるわよねえ。このままこの子が、父親の顔を知らずに育ってもいいのって」  だが言うほうが間違っているのだ。みんな、そんなものだと諦めている。人に誇れる、恥ずかしくない、立派なトゥーリアンであるために。

 だがある日、それが変わった。  まだ日暮れ前だというのにオーランが帰ってきた。連絡もなかったために驚くと、彼自身も、うっかり連絡することを忘れていたことに気付いた。そして、戸惑ってもいるようだった。  だが、「エアラは?」と尋ねて、そろそろ覚める昼寝の途中の、娘の傍に座り込んだ。 「それでオーリったら、もし、勤務態度が十分じゃないと降格されても、構わないよなって。父親の顔を知らない娘にするよりマシだよなって。なにがあったのかと思ったわ」  そうして聞かされた。一人の部下が言ったという言葉。「名誉なんかどうでもいい。子どもの成長には今しか立ち会えない」。それを聞いたときオーランは、名誉だ模範だとどう取り繕ったところで、それがまぎれもない自分の本心だと気付かされたのだと言った。

 これまでも、本気で仕事を片付けて、少しでもエアラの顔を見に帰ろうとしたかと問われれば、そうではなかった。帰りたい気持ちはあっても、明日の仕事に備えるべきだとか、間違いがないように確認を怠るべきでないとか、 『全部言い訳だ。本当は、他と違うことをするのが怖かったんだ』  だがどうでもいい。エアラの成長を見れないのは嫌だ。そしてエアラに、メリアのような思いをさせたくはない。  それを私事だと言い、公務のために犠牲にしろと言われれば、 『そんな"公"に、人生を捧げられるものか』  それは、おとなしく控えめで慎ましい、オーラン・カスクールが初めて吐露する強い言葉だった。

 しかも今、それを我が儘や屁理屈ではなく、より合理的で効率的な制度として通そうとする無茶苦茶な部下がいる。  息子と過ごしたいからというだけで、小隊一つ巻き込んで大暴れしている。早く帰るために全力で取り組む。それを自分一人の我が儘にせず、部下たちにも意義のある仕事にする。  そのすさまじい仕事ぶり、采配を見ていると、自分たちの仕事が終わらないのは、本気でやっていない自業自得だと思わされた。  ただ、それはこれまで続いてきたベーシックを破壊する行為だ。後押しすれば、毀誉褒貶に巻き込まれる。ともすると、慣例を維持しようとする体制から潰されるかもしれない。そうなったときには、不名誉も被るだろう。だがそれでも、 「いいかって言われたら、ねえ。私には、そんなものどうでもいいってしか言えないわ」  目覚めたエアラを抱えたオーランを見て、メリアは、自分も父にこうして抱きしめてほしかった、毎日でなくてもいいから父と話がしたかったと思わずにいられなかったのだ。

「言うまでもないけど、その変わり者の部下って、あなたの旦那様のことよ」  息子大好きで大爆走。他の誰かにもできる仕事なんかより、自分にしかできない父の役目、夫の役目。文句は合理と成果でねじ伏せる。  本人は自分の思うまま、好き勝手にやっているだけなのだ。  だがそれが、目の前にいる優しい家族を救っていた。  自分のことではないのにエドナは、誇らしく嬉しい気持ちでいっぱいになった。

 心から感謝しているが、それを言葉として伝えるよりも仕事で応える。オーランはそう決めているという。 「だからカメラのことなんてうきうきしていたのよ。仕事じゃないけど、これで少しは借りを返せるって。でもまさかそれが、あなたの旦那様だったなんてねえ」  しんみりとした思いを、くすくすと笑うメリアが明るく和らげる。だがその瞳には、ほんの少し涙がうかがえた。


 カスクール夫妻のなれそめについて話すと、ヴァレスは面白がっていた。 「引っ越しで離れ離れになったところから、見合いの席で再会するなんてドラマチックだな。実質恋愛結婚か?」  オーランはちゃんと相手の名前も見てから赴いたのに、メリアの姓が変わっていたせいで気付かなかった。これは仕方がない。だがメリアがもし相手の名前を見ていれば、その時点で気付いたことになる。 「上司の顔を立てるために仕方なくとは言え、名前すら見ないで行くなんて、メリアさんもなかなか強気だよ」  たしかにそれは、若い頃のメリアは、今ほどおっとりはしていなかったのかもしれないと思わせるエピソードだ。

 エドナは少し迷ったが、ヴァレスへの感謝の件は黙っておくことにした。  伝えるなら、直接伝えるだろう。それを勝手に代弁するのは違う。  それにエドナも、そんな謝辞などヴァレスは求めていないだろうと思う。  好き勝手にやった。やりたいようにやった。たまたまその余波が誰かを助けていたとしても、それを自分のしたことだとは思わない気がする。  だからただ、改めて思うだけだ。  この人の傍にいられて幸せだと。

「他になにか面白いエピソードはなかったかい?」 「そういうの聞き出して、中佐を困らせるつもり?」 「まさか。とはいえ、上司の弱みを握っておくに越したことはないけどね」 「カメラで喧嘩したことがあるのは聞いたわ」 「高いもの買って、とか?」 「ううん。メリアさんの撮ったもののほうがたまたま良かったから」 「えっ? それであのカスクール中佐が不機嫌になったわけか……?」 「そうみたい。と言っても、10年くらい前のことみたいだけど」 「それも"若い頃"の話か。とはいえ私もうっかりベストショットは撮らないほうがいいわけか。……リディ? 今、撮れるわけないんだから心配するだけ無駄、みたいな顔しなかったか?」 「パパのしゃしん、へたくそだもん」 「リーディーイーーー??」  今頃メリアたちも、なごやかな夕飯を囲んでいるだろうか。  そう思うと、二重に笑顔になるエドナだった。